アニサキス奮闘記

アニサキスで緊急手術、入院してしまいました。仕事もある、家庭もある、でも動く身体がない!入院中でやることもないのでブログでも書いてみます。

腸アニサキス症 発症から手術まで

これまでに経験のない腹痛に襲われて、私がとった行動の一つが原因の可能性を探るために、ネット検索することだった。

『腹痛 絞られるような痛み』
『食中り 下痢なし』
『腸 絞られるような痛み』
こんな検索ワードを使っていたと思う。


正直、アニサキスとは少しも思っていなかったので、原因不明の腹痛としか思えなった。
しかも、これまでに経験のない痛み。痛みで冷静に考えることも出来なかった。

私の場合、妻もネットで調べてくれていて、「アニサキス」というキーワードに辿りつけたが、
辿りつけなかったら、町医者から出された効くはずもない抗生物質と整腸剤だけ飲んで、
その間に、アニサキスに腸を突き破られていたかもしれなかった。


もしかしたら同じような腹痛で苦しんでいる人がいるかもしれないので、私の症状についてまとめておきます。

病名
アニサキス

原因
前日に食べたアジの刺身「一切れのみ」

発症までの時間
食後、約15時間後
(アジを食べた翌日のお昼頃)

経過と痛み方

・発症(pm12:00)
腸の左上辺りに違和感(プルプル振るえるような感じ)。

・発症から1時間後(pm13:00)
お腹全体が重苦しい感じ。
食あたりした時のような痛重さ・下痢はなし。

・発症から3時間後(pm15:00)
お腹の重苦しさに加えて腸の左上をキューっと絞られるような痛み。
絞られて30秒ぐらいすると元に戻る。
30分間隔ぐらいで絞られる痛みが襲ってくる。

・発症から6時間後(pm18:00)
絞られている時間が長くなってくる。
座っているのも辛い。

・発症から9時間後(pm21:00)
腹痛の第1ピーク
嘔吐。
お腹の重苦しさが増してくる。
絞られる痛みまでの間隔が短くなってくる。
寝ていても痛みで目が覚める。

・発症から21時間後(am9:00)
重苦しさはあるが、絞られる痛みは一旦落ち着く。
町医者で診察を受ける。

・発症から25時間後(pm13:00)
嘔吐。

・発症から28時間後(pm16:00)
腹痛の第2ピーク
息をするのも辛い。
ピンポイントで絞られるというよりも、お腹全体が押し込まれるような痛み。
再度、午前中の町医者で診察を受ける。

・発症から30時間後(pm18:00)
総合病院で診察の結果、緊急手術が決定。


以上、ざっとまとめてみましたが、同じような痛みで苦しんでいる方、我慢せずにすぐ病院にいって下さいね。

アニサキス入院 その後

退院して1ヶ月後、退院後初の診察に行ってきた。

私の場合、堪えきれない腹痛で診療に行ったのだが、その時にはアニサキスが原因かどうかよりも、腸閉塞が進行してしまっていたため、緊急手術ということになってしまった。

このままにしておくと、更に進行してしまい、小腸の半分以上を切ることもありえるので、そうならないようにとの判断での緊急手術。
因みに小腸は一般の成人で6mほどあり、これが4mほどになると、食事制限も必要になるみたい。


医師にはアニサキスの疑いがあることを伝えていたので、その可能性も含めてお腹を開けてみると。

術後の説明によると、おそらくアニサキスが噛んだであろう小腸の一部(20㎝)を切除して、腸閉塞になっていた部分を処置したそうだ。
妻は切除した腸を見せてもらったらしいが、アニサキスが噛んだであろう箇所は口内炎のようになっていたらしい。

医師からはアニサキスで間違いないだろうけど、現物は腸の中に潜り込んでしまったのか、発見できなかったと。病理検査に出してから確定診断するとのことだった。検査の結果はアニサキスアニサキスが腸の中に潜り込んでいたそうです。手術が遅れていれば、もっと悲惨なことになっていた可能性もあったみたい。

医師からはもう普段通りに生活して構わないけど、今後、刺身とか食べるなら気を付けて下さいと。。。
刺身、気を付けるどころか食べる気になれないです。。。


それにしても、あの時、我慢し続けなくて良かった。手術や入院という代償はあったけど、我慢し続けていたら、今後の生き方に関わる問題になっていたかも...

多分、このブログ読まれてる方の中にはアニサキスかも?っていう人もいるかもしれません。
原因不明の腹痛、今まで経験のない腹痛、絞られるような腹痛、こんな症状になっていたら、我慢せず病院に行って下さい!
出来れば設備の整った病院。そして、医師には「アニサキスかも」の一言を必ず伝えて下さい。
アニサキスの多くは胃で悪さをして、腸で悪さをするケースは少ないみたいです。
この一言で医師の診察や判断も変わると思います。実際に私の場合も最初は「そりゃないでしょ!」みたいな感じでしたので。

12-28 アニサキス入院10日目 退院

ようやく退院の日を迎えた。

野戦病院と化した病室では、コーラおじいちゃんの点滴交換やら九造さんの退室など夜中も慌ただしくゆっくり寝ることすら出来なかった。

朝食を食べ終え、請求書と退院指導計画書をもらって晴れて退院。看護師さんにお礼を告げ、長らくお世話になった病室を後にした。

因みに、入院、手術代は健康保険限度額適用認定を制度使って13万弱。少なからず痛い出費になった。

最後にこの入院を通じて感じたことを覚書にしておく。

●看護師さん
看護師さんの仕事はホントに大変だと思う。決められた時間に患者の様子を見にきたり、点滴を替え、患者のシャワーや食事の管理など、見ているだけでも多忙なのが分かる。


特に高齢者への対応には苦労させられていた。オムツ替えの他に患者によっては食事の世話までしていた。

子供なら可愛いというオマケがあるので、他人であっても多少我慢は出来ると思うが、高齢者ともなると何のオマケもない。

それなのに、甲斐甲斐しく声を掛けて、患者さんの苦痛を共感しようとする姿には心を動かされた。

本当に看護師さんには感謝以外の言葉が見つからない。

●これからのこと
自分は4人部屋だった。高齢の患者さんを見ていて気になったことがある。

高齢の患者さんは、看護師さんに対して感謝の言葉も出さない。痛いとか寒いとか部屋が明るすぎるだの自分中心でしか物事を考えているような発言も目立った。他の患者もいるのに夜中に「悔しいよー」と大声で叫んだり、ナースコールを押す代わりに、大声で看護師さんを呼んでみたり。

病気で余裕がないのも分かる。でも、ホントにそれだけだろうか?

人の在り方やその人らしさって、歳を重ねながら積み重なっていくものじゃないのだろうか?

いい歳した子供のような患者さんを見て、常々他人に対して感謝の気持ちを忘れずに、そうやって歳を重ねていきたいものだと思うようになった。

将来、自分も同じような立場になる可能性は十分にある。その時になって、苦しく追い込まれた時でも感謝の気持ちが自然と出せるような、そんな人間になっていけたらと願う。


この入院を通して、ずいぶん多くの人へ迷惑を掛け、多くのひとの暖かさに触れ、助けられた。

妻には心配を掛けた以上にかなりの負担を課してしまった。
子供には寂しい思いをさせたかもしれない。
義母はわざわざ遠くから妻をサポートしに来てくれた。
父母兄姉にも心配を掛けた。手術の時にはすぐに駆けつけてくれて、妻をサポートしてくれた。
会社の同僚は業務負担を増やしてしまったにも関わらず、見舞いにまで来てくれた。
先生は的確な判断で症状の悪化を最小限に留めてくれた。
看護師さんは術後に痛いと騒ぎたて何度もナースコールをしたにもが関わらず懸命に処置をしてくれた。

大げさな表現かもしれないけど、自分自身は多く人の支えの中で生きているという事をこの入院を通じて胸に刻むことが出来たと思う。

この10日あまりを無駄にしないためにも、より一層、感謝の気持ちを持ちながら今後の人生を歩んで行きたい。

そして、健康第一
これが何よりも大事!


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本当に有り難うございました。

12-27 アニサキス入院9日目

長かった入院生活もあと1日。

検査もないし、シャワーもない。
とにかくやることがない。

ひたすら本を読む。
眠くなったら昼寝をする。
リゾートライフ満喫といった様相だが、いるのは病院。今日一日耐えよう。


●病室の様子

隣の患者さんが退院していった。
そして、代わりにやってきたのは90代の男性。
来るなり、痛いとかうぅーんと唸っている。

これで、私以外の3人がおじいちゃんということになった。

一人目はコーラ好きのおじいちゃん。
亡くなった奥さんの写真をベッド脇に置いる。
一方で看護師が来る度に「あんた、美人だね。ここの病院は美人ばっかりだ」と口癖のように言っている。ワガママっぷりも激しいが看護師さんからは人気がある。
昨日、手術をしてきたばかりなので、痛み止めが切れると唸りだす。

二人目は肝臓さん。
肝臓を悪くして運ばれてきたので、勝手に名付けた。今が何月かも分からず、自分の生年月日も言えないぐらい意識が朦朧としている。
肝臓さんは、昼夜が逆転してしまい、夜になると騒ぎ出すので、要注意人物に指定されてしまった。夜になるとナースステーション近くの経過観察室に連れて行かれていかれるのがパターン化している。
そして、理由は分からないが肺炎も併発してしまった様子だった。


三人目が今日きた九造さん。90過ぎだから九造さん。この人は普段は声も出せないぐらいグッタリしているが、突然何かが乗り移ったかのように唸りはじめたりする。

昼寝、この3人が一斉に唸り声をあげたり、奇声を発したりすることがある。野戦病院ってこんな感じなのかな?とさえ思ったりする。

●栄養指導
退院後の食事について説明を受けた。
よく噛んで食べること。
消化の良いモノを選んで食べること。
油の多いモノはほどほどにすること。
腹八分目を心掛けること。
これが基本らしい。

アルコールも問題はないけど、先ずはご飯を食べられるようになってからと言われてしまった。

退院してからも、お酒にたどり着くにはまだまだ時間が掛かるようだ...

でも、早く出たいです。。

12-26 アニサキス入院8日目

今日は退院日が決まる日。
看護師さんの判断次第とは言われてるけど、明日には退院かな?と勝手に期待してしまう。

●朝食
パーン!
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食べられるようになって嬉しいのは嬉しいけど、毎食お粥って地味だなと思ってたところに、これは嬉しいサプライズでした。


●退院日決まる
朝食が終わると看護師さんが来てくれた。
1日でも早くと希望は伝えたものの、看護師さん側で協議の結果、28日に決まった。

27日(明日)とか勝手に期待してただけに、がっかり...
明日、丸一日いてもホントにやることないのに...
我慢するしかありません(泣)

●10日ぶりのシャワー
昨日、シャワーの許可も出ていたので、看護師さんが予約をしてくれていた。シャワーの前に先生も来てくれて、抜糸も完了。

入院の前日はシャワーどころではなかったので、10日ぶりのシャワー。

改めて手術したところ見ると、凄いキズ。銭湯とかで同じような傷の人をみたら、確実に目を反らすレベルの傷痕になっていた。

それにしても、シャワー、ちょ〰️気持ち良かった!

●夜の回診
食事面や退院後の過ごし方など、気になったことを聞いてみた。

食事は消化管に負担を掛けるような暴飲暴食を避け、傷口に負荷が掛かるような運動などをしなければ、普通に過ごして問題ないとのことでした。

明日で丸一日の入院生活も終わり。
多分、後にも先にもここまで暇なことってないと思うので、明日は思う存分、暇を満喫してみようと思う。

12-25 アニサキス入院7日目

あの緊急手術から丸一週間。
日々やることもないのに、あっという間だった。

●午前中の回診
経過も順調なので、もう少しで退院だから頑張りましょう!と言われる。お腹から出ているパイプ(ドレーン)も後で外してくれるらしい。

このドレーンと点滴のせいで動きがかなり制限される。寝返りとか、洗顔とか、歩行時の歩幅やら。それが外れるだけでもかなり楽になるはず。


●ホットタオル&着替え
回診が終わると看護師さんがホットタオルと着替えをもってきてくれた。これは3日に1回のペースで持ってきてくれる。たかがタオルで拭いただけでも、気持ちが切り替わる。


●ドレーン外れた
お昼前、ドレーン外すといって先生が現れる。夕方の回診時かと思っていたので嬉しい。反面、また痛い思いするのか…と覚悟を決める。

お腹の中から外に出ている管を抜く訳で、痛くない訳ない!そう思ってると、そのまま病室のベッドに
寝かされて、スーっと管を抜いて、抜いた穴はテープで止めておしまい!

痛くない!
スーって、何で!?
お腹の中から飛び出てたのに…

そして、半抜糸して処置終了。
明日はシャワーもOKらしい!


●お昼ご飯
今日から五分粥が終わって全粥。
それを楽しみにしていたが、不意をつかれた!

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Merry Christmasってカードと一緒にチーズケーキ!クリスマスぽっい事はないと悟ったつもりだったけど、粋な計らいがちょっと嬉しかった。

●夕食
入院してると、食事が大きな楽しみになる。
今日は何だろう〰️?と楽しみにしている。
そして、持ってきてもらった夕食を見て一瞬怯んでしまう…

サバの塩焼き...
アニサキスのお友達である。
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アニサキス症になると、アニサキスアレルギーという体質になってしまうことがあるため、アニサキスの有無は関係なく、魚介類そのものが食べられなくなることがあるらしい。

先生に自分がその体質になってないか質問しようと思っていた矢先に、サバ!

これまで、鮭やタラは食べて問題なかったので、魚介類がダメってことはなさそうだけど、サバは怖いなぁ...

ここは病院だし、アレルギー反応が出ても何とかしてくれるでしょ、と勇気を出して食べた。

●夜の回診
夕食を食べ終わると先生がやってきてくれた。
「看護師さんから退院の話聞いてる?」
「えっ! 何も...」
「そう、医師として退院の許可だしたから。看護師さん側の許可とこっちの許可がずれる事があるんで、その辺は看護師さんから話きいてね。」

なんとも、良い意味で期待を裏切られた感じ。
いつ、退院出来るんだろう?


●点滴終了
手術以来、ずっとやっていた点滴も今日で終了とのこと。今晩からようやく寝返りも自由になれると思うと解放的な気分。

色々な動きがあったけど、かなり前に進んだ一日だったと思う。夜中、「助けて〰️」とか、「お母さ〰️ん」とか、叫ぶおじいちゃんが同室なので、早く出たいです。

12-24 アニサキス入院6日目

人生初。

入院先でクリスマスイブを向かえた。
クリスマスイブに風邪引いたことは今までにあるけど、まさか入院する羽目になるなんて今まで思いもしなかった。

テレビを見てもクリスマス感いっぱい。

クリスマスの事を考えると家族に特に子供に申し訳ない気持ちなって、やりきれなくなる。8歳と5歳の男の子。下の子はもちろん、上の子もまだサンタクロースを信じている。

年齢的に考えても、「サンタさんだ!」って喜んでくれるのも今年が最後かもしれなかった。ささやかながらも家族でパーティーと思って、色々予定してたのにホントに申し訳ない。

という訳で、日中はテレビも見ず、読書にいそしむ。昨日、本を沢山もらったお陰で退屈せずにすんだ。

夕食前、姉と両親が見舞いに来てくれた。
姉の仕入れた情報だと、「アニサキスは水道水で洗えば死ぬ」らしいがホントだろうか?

アニサキスについてググってみると、色んな都市伝説みたいなものが出てくる。情報が有りすぎるのも、これはこれで問題なのかもしれない。

そういえば、今日の昼から五分粥になった。
クリスマスイブ、病院といえども少し気の利いたことしてくれるかな?とちょっと期待していた食事でしたが、やっぱり、ここは病院でした。

昼食
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夕食
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真ん中:鶏肉の中華煮
チキンを使ったのは一応の気づかいだろうか?